「DolL」その3
今回の執筆にあたり二つ返事でOkをくださったおぎーノ氏
本当にありがとうございました
モチベーションに繋がってるってはっきりわかんだね
人生という冒険は続く
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右側の扉の先には中庭のような、少し開けた空間が広がっていた。
周囲は半球状の硝子で覆われ、外側には生い茂る森と、オレンジ色の雲が空を満たしている。
夕暮れに似た景色に太陽は無く、朝と夜、ともすれば時間の流れすら曖昧にするような、そんな空だった。
奥の方にはプレハブ小屋があり、周囲は畑に囲まれている。
この屋敷の屋内菜園といったところだろうか。
蓮「…ん?」
{目星}DR:成功
食用の野菜を栽培しているらしい畑の中で、圧倒的な存在感を放っているものがあることに気付く。
それは巨大なブロッコリーだった。
でかい。圧倒的にでかい。
屈強な男の二の腕くらいはある野太い幹を大地に下ろし、
生い茂る萌芽は周囲の作物の日照を蹂躙せんが如く広がり、
その一つ一つが螺髪のような威光を放っている。
両手で抱え込むように掴み、渾身の力で引き上げる。
しかし予想した抵抗がやって来ることはなく、ブロッコリーは易々と地面から引き抜けた。
力の余波で大量の土砂が巻き上がる。目と口を覆ってなんとかやり過ごすと、めくれ上がった地面に石扉が隠されていたことに気付いた。
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さみ「ブロッコリーの下に地下室の入り口が!」
GM「謎のブロッコリー推し。ブロッコリー持って行ってもいいぞ」
さみ「ハスタは ブロッコリーを そうびした」
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蓮「こっちは後回しだな。先にプレハブ小屋を調べよう」
{聞き耳}DR:9 成功
小屋の扉に体を預け、中の様子を伺う。
…僅かであるが、人の息遣いを感じる。中に誰かいるようだ。
自然とブロッコリーを握りしめる手に力が籠る。
ここは異常な世界だ。相手が人間であっても、突然襲い掛かって来る
可能性は否定出来ない。待ち伏せされてはこちらが後手に回ってしまうだろう。
蓮 (一瞬でいい。ブロッコリーを投げつけて注意を逸らし、その隙に制圧する…!)
蓮「行くぞ!」
扉には鍵が掛かっていた。
蓮「痛っっってぇ!!」
全力投球したブロッコリーは鉄扉に甲高い音を響かせながら跳ね返り、そのまま自らの眉間に直撃した。
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さみ「うぉおおおお!」
GM「開かないじゃねぇか!!」
さみ「ダメージロールどうぞ」
GM「ない、ない。無いから」
さみ「困ったな、鍵開けとか取ってないから入れないじゃないか」
GM「…せ、せやな」
さみ「窓とか無いの」
GM「無さそう。マジ豆腐建築」
さみ「掘るか」
GM「プレハブ小屋の下コンクリだから駄目です。傍に地下室あるやろ」
さみ「そうか地下室から!」
GM「多分違うやで」
さみ「もういいや、蹴ろう」
GM「お前どうなっても知らないからな」
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蓮「ちくしょう!誰だよ扉に鍵掛けた奴は!
誰かいるのか!?俺の声は聞こえるか!?」
額を押さえながら八つ当たり気味に小屋の壁を蹴る。
???「ひっ……」
そうしていると中から怯え切った、必死に声を押し殺した悲鳴が耳に届いた。水を掛けられたように頭が冷えていく。
幼さが残っている。まだ年端もいかない少女の声だった。
蓮「…悪い。突然連れて来られたもんでな、動揺してた。
あんたもその口か?この場所に心当たりは?」
???「……」
語りかけるが、扉の向こうから返答は無い。すっかり警戒されてしまったらしく、ひとまず諦めるしかないようだ。
蓮「…とりあえず、そこを動かないでくれ。あと変なものにも口を付けるなよ。____お願いだ」
???「ひぅ…ぅ…」
返答が無いことを確かめ、プレハブ小屋を後にすることにした。
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GM「折角なんでそろそろやるか。」
さみ「ん?なんか起こるの?」
GM「起こすよ。適当にダイス振ってくれ。con*5だ」
{?}DR:45 成功
さみ「成功だな。同値とかヒヤるわ…」
GM「じゃあ何もないよ」
さみ「そうか」