「DolL」その2
~キャラメイク中~
さみ「ところでGM、XD拳銃って」
GM「却下」
さみ「アッハイ」
GM「身の着以外持ち込み不可だからなー。サトミハスタロウ君か、把握」
さみ「もうそれでいいや。生物学もポイーで」
ハスタ君の冒険の続き
~~
中央の扉の向こう側には、手術室のような部屋が広がっていた。
とは言っても、硬質な金属が剥き出したベッドは作業台、という表現が似つかわしい。
説明を求めて自動人形の方へ振り返る。
人形「…………」
しかし、自分を部屋に招き入れて以降、何の反応も示さなくなっていた。
~~
さみ「自動人形のステある?」
GM「あるよ」
[NPC]自動人形 APP:5
さみ「蹴っていい?」
GM「すごくかたいぞ。人形だからな」
さみ「じゃあ鍋ん中の舌シチューぶっかけるわ」
GM「意☆味☆不☆明なロール。やってもいいけど」
さみ「まぁいいや、続けてよろしく」
GM「あいよ」
~~
部屋に入ると、作業台の奥に椅子と、そこに腰掛けている人影に気が付く。
蓮「!!…おい!そこに誰かいるのか!ここは何処なんだ?俺は一体何をして…っ!?」
まくしたてながら部屋の奥へ、奥へと駆け寄る。
そして気付いてしまった。
違う。
これは人影などではなかった。
背もたれの長い椅子に[立てかけられて]いた少女の
両肩から指先
両足から下
四肢の一切が消失していた。
{SANチェック}DR:失敗 正気度45→42 不定の狂気 30時間 制御不能の失語
蓮「____ぁ、、、ふっ、ぐ、…ぅう、ぁ」
声が、出ない。
あまりの異常性に、遂に言語さえ忘却したかと絶望しかけるが。
____まだこうして思考が出来ている。その実感だけにしがみついて
壊れかける理性を必死に手繰り寄せた。
朦朧とした意識は、しかし不意にかけられた声によって現実に引き戻される。
反射的に四肢の無い少女の方を見る。しかし語りかけてきたのは背後の自動人形のほうだった。
人形「あなたにお願いがあるのです。[彼女]を作り上げて下さい。パーツは…同じサイズだったら、まぁいいでしょう」
無感情な声音でそう言った自動人形は、部屋の隅へ移動するとそのまま動きを止めてしまった。声を掛けることもままならずに駆け寄り揺すってみるが、「やめて下さい やめて下さい」と繰り返すのみだ。
蓮 (こっちはどうしようもない、か…それよりも)
下唇を強く噛み締める。逃げ出したい思考を捻じ伏せ、部屋の奥の少女へ向き直る。
彼女を作り上げろ。そう人形は言ったのだ。他に手掛かりは無い以上、少女を放置するわけにはいかない。
それに。
蓮 (…冷え切っている)
少女の首筋に手を添える。
肌は氷のように冷たく、脈も無い。硬直した筋肉からは過ぎ去った死の名残だけが感じられた。
その感触だけで、嫌悪感を解くには十分だった。
少女は人間だ。
例え人の形を奪われ、既に死んでしまった身であっても、
未だその身を晒されている事実にどうしようもなく腹が立った。
蓮(どのみち放ってはおけないな、っと。…ん?)
指先に硬質な感触を覚える。どうやら鍵束のようだ。首に引っ掛けていただけのようで、少し力を籠めると掌の中に収まった。
鍵束を制服のポケットに滑り込ませ、少女の体を抱え上げる。
支えの無くなってしまった身体は驚くほどに軽く、少し力を込めるだけで壊れてしまいそうなほど脆く感じた。
{聞き耳}DR:3 クリティカル
少女の体を持ち上げたとき、座らされていた椅子の中で何かが転がる音が聞こえた。
一先ず少女を作業台へ横たえる。その後、辺りにあるもので革製の椅子を乱雑に引き裂くと、詰め物の中から人形の左腕が見付かった。
~~
さみ「エクゾ?」
GM「エクゾ」
~~
蓮 (腕、か。これを集めろってことだろうな)
背後にいる自動人形を眺める。微動だにしないその表情からは何も読み取ることは出来ない。
蓮 (作業台の方も調べてみるか。何か役に立つものがあるかもしれない)
作業台には引き出しが付いていて、縫合用の糸等が入っていた。
蓮 (…ん?)
{目星}DR:成功
蓮 (メスが一本足りない)
~~
GM「そういえば、さっきクリティカルしたな」
さみ「したね」
GM「幸運振っていいよ」
さみ「振った」
{幸運}DR:クリティカル
GM「このシナリオ中は喋ってもいいゾ。終わったら黄色い救急車な」
さみ「優しい世界」
~~
少女への嫌悪感と共に、肺腑を締め付けていた重みも幾らかましになっていた。
____大丈夫だ。手も足も、まだちゃんと動く。
蓮「よし、それじゃあ行くとするか。義肢探し」
少女と左腕を作業台に残し、部屋を後にする。
…残る手足は、あと三本。
蓮「…あと、できれば服も」